特許情報を使うことで世の中の動きを見ることができる
特許情報を鳥の目、虫の目、魚の目と様々に使い分けることで世の中がどの様に動いているかを様々な視点で見ることができます。下の図は、特許分類のA23(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)を更に詳細な分類で時系列に特許出願件数を見たものです。
下図よりわかるように、A23L(A21DまたはA23BからA23Jまでに包含されない食品,食料品,または非アルコール性飲料)という分類の出願件数が群を抜いていることがわかります。なんとなく「その他」のような扱いに見えますが、発明としては主流となっています。
特許情報から世の中の関心がどこにあるかを知ることができる
さらに、A23Lを更に詳細に見ると、以下の表の用になります。2016年における特許出願件数を見ると33/00(食品の栄養改善;ダイエット用製品;それらの調製または処理)という分類が圧倒的に多いことがわかります。やはり健康に関することは世間の関心が高いようです。
特許情報の技術分類より技術の傾向がわかる
では、上で見た33/00(食品の栄養改善;ダイエット用製品;それらの調製または処理)はどの様に分類されているのでしょうか。詳細な分類を以下に示します。そうすると、当たり前のようですが、「食品の栄養改善」(33/10)と「ダイエット用製品」(33/20)とに区分されています。
「食品の栄養改善」(33/10)では、植物系、脂肪酸系、炭水化物系など様々な分野に別れていることがわかります。栄養のとり方はいろいろな方法があるということなのでしょう。
一方、「ダイエット用製品」(33/20)に関しては、(実質的に難消化性の物質の添加,例.食物繊維)(33/21)のみが分類されています。栄養のとり方は多くの方法があるのに、栄養を取らないダイエットの方法は「栄養にならないものを摂取する」という方法しかないということのようです。例として食物繊維が挙げられていますが、コンニャクなどの消化されないものも含まれています。
2000年以降の特許出願において、「食品の栄養改善」(33/10)は18,554件もあるのに対し、「ダイエット用製品」(33/20)は782件しかありません。ダイエットは常に国民の関心の上位にくるのですが、食品でダイエットを達成することは難しいようです。究極の食のダイエットは「食べない」ということなのでしょう。