Hセクションで一番出願が多いのが半導体装置等

特許出願の推移(2000年~2015年)で一番多いのがHセクション(電気)であり、Hセクションは表1のようにH01(基本的電気素子)~H05(他に分類されない電気技術)の各クラスまで別れています。そして、Hセクションにおける各クラスの下の分類(サブクラス)のうちトップ5を図示したのが図1です。

特に出願件数が多いのがH01L(半導体装置、電気的固体装置等)とH04N(画像通信)でした。その後も、H01M(化学的エネルギーを電気的エネルギーに直接変換(電池))、H04L(デジタル情報の伝送)、H04W(無線通信ネットワーク)と続きます。

総出願件数ではH02(電力の発電、変換、配電)は少ないものの今後増加しそう

前回のブログで取り上げたH02(電力の発電、変換、配電)で一番出願件数が多かったのがH02K(発電機、電動機)ですが、全体の9番目でした。近年伸びが著しいH02J(電力給電等回路装置など)は11番目となっています。H02(電力の発電、変換、配電)関連の発明は最近注目を浴びていますが、全体の出願数からするとまだまだといったところです。

H01L(半導体装置、電気的固体装置等)はさらに詳細に分類されている

ただし、エレクトロニクスに係る発明は非常に熱心に研究されていることがわかります。ちなみに、一番出願件数が多いH01L(半導体装置、電気的固体装置等)は、表2に示したように、H01L21/00(半導体装置または固体装置)~H01L49/00(他に分類されない固体装置)まで分類されますが、そのなかで一番出願件数が多いのがH01L21/00(半導体装置または固体装置)です。日本の半導体製造はかつての活力をだいぶ失いましたが、半導体の製造装置はまだまだ堅調というところでしょうか。

一般社団法人日本半導体製造装置協会の資料(図2)によれば、今後日本製の半導体等の製造装置は右肩上がりの成長が予測されています。

「半導体装置または固体装置」に関連するFターム(5F)で一番出願件数が多いのは5F146(半導体の露光(電子、イオン線露光を除く))

なお、H01L21/00(半導体装置または固体装置)に関連するFタームは5F117(半導体装置の製造処理一般)ですが、今では番号のみ存在しており詳細な分類はなされていません。

Fタームの5Fのグループで一番出願件数が多いのは5F146(半導体の露光(電子、イオン線露光を除く))です。やはり露光が半導体の性能を大きく左右するということなのでしょう。

つまり、半導体の集積度を挙げるためには線幅を小さくしなければなりませんが、そのための主要な技術が露光装置ということです。図3に示すように、半導体の細線化は年々進んでおり、CPUではすでに14nmの線幅です。今後10nm~7nmに細線化が進む予定で、これからますます集積化が進んで高性能なパソコンが出現することが期待されます。


5F146(半導体の露光(電子、イオン線露光を除く))については簡易レポートをご覧ください。

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